【読書レビュー】坪田信貴『才能の正体』(その1)
みなさん、こんにちは!
さかた塾中学部、代表の西川です。
現在、当塾はゴールデンウィークのお休み中です。5/2まではお休み。そこで今後に向けて色々と準備を進めたいと考えています。
通塾生の皆さんはLoqLogと課題をしっかりとこなしてくださいね。
さて、今回は読書レビューをしてみたいと思っています。
1発目に選んだ本は・・・こちら!
ビリギャルでおなじみ、坪田塾の坪田信貴先生の著書、『才能の正体』です。
私は高校受験を終えた生徒たちを集めた卒業パーティーで、映画『ビリギャル』を上映するほどの坪田ファンです。
努力をすることの素晴らしさ、受験生を支えてくれる家族の大切さ、親の期待と現実とのギャップへの子どもの苦しみ、勉強をすると決意したさやかちゃんのために受験が終わるまで遊びに誘わないと決めた友達たちの思いやり、一緒に塾で勉強をしている仲間との絆、そしてそれら全てを包み込む先生の温かさ、色々なものを感じることが出来る映画です。
そんな坪田先生の本ですが、同じ塾講師として、教育者として、実践していきたい色々なヒントが書かれていました。今回はそれを少しだけ(…といいつつ、そこそこの長文になってしまいましたが、)ご紹介したいと思います。
才能があると言われている人たちは、その人に合った動機付けがまずあって、そこから正しいやり方を選んでコツコツと努力を積み重ねている。
(28ページ)
あの子は才能がある、あの子は地アタマが良い、(それに比べこの子は・・・)という考え方がまずよくないと坪田先生はおっしゃっています。
何のためにそれをするのかという目的を作ってあげることが大切。そして、そこから正しいやり方を選ぶことも大切。ちゃんとモチベーションを作ってあげられているか、正しいやり方を教えられているのか、教える側は常に自分を顧みる必要があります。
動機付けは『認知』『情動』『欲求』の3つの行動から成り立つ。
認知:これなら自分に出来そうで、しかも、これはきっと人生の役に立つに違いないと思って行動に移す。
情動:バーンと感情が盛り上がって、テンション上がる!となる状態
欲求:本当に自分がそれをやりたいと思うかどうか。一時的な衝動ではなく、安定した心理エネルギーとしての欲求があって初めて動機付けになる。
(43ページ)
動機付けのために必要なことについて、坪田先生は上記の3つをポイントに挙げられています。
きちんと問題の解き方を指導してあげることによって、「自分にも出来そう」「これをやればテストの点数が上がりそう」と生徒さんたちに感じさせてあげること【認知】。そこから、問題に正解したら思いっきり褒めてあげることで、テンションをあげてあげること【情動】。それを持続させるために、授業を工夫し続け、将来の目標・目的を考えさせ続け、きちんとテストの点数をあげてあげること【欲求】。
私に置き換えれば、これらのポイントが非常に大切だということです。
「やればできる」ではなく、「やれば伸びる」を大切に。「やればできる」だと、結果至上主義になってしまって、出来ないと分かった瞬間に諦めてしまう。「Why型」で考える人は、結果主義者。自分に限界を作り、才能が伸びない。「How型」は結果ではなく経過を楽しめて、才能を伸ばして、才能を手に入れる。
(56ページ)
たとえその時点でその子が勉強していなくても、それどころか学年ビリでも、自分で「やろう」と決めたのなら、周りの人たちは「あなたがそう思うならやってみたら?」と声をかけてあげた方がいい。
(58ページ)
何か目標に失敗したときに、「なぜ出来なかったんだろう?」→「自分には才能がないからだ」「自分がバカだからだ」「高望みしすぎたからだ」という思考だと、そこから才能は伸びない。逆に、「今までよりも前向きに取り組めた」「〇〇の単元について、たくさん問題を解いて、自分は明らかにテスト前よりも進歩した」と、「自分がどうやったか」「どういうところが伸びたか」に焦点を当てる人は、欲求を持続でき、次もやり続けられる。そして、それが大きな力になっていく。
私なりに少しかみ砕いてみると、そういうことを坪田先生はおっしゃっているんだと思います。
私も今通ってくれている生徒とは、目標を立てる話をよくしています。
「学年5位以内に入ろう!」「テストの順位を40位から20位台に入れるようにしよう!」「定期テストの5科合計を380点にしよう!」「英語と数学だけでいいから学年50位以内に入ろう!」などです。お子さんを預けて頂いている以上、もちろん私自身は結果にもこだわらないといけないのですが、その過程の部分をしっかりと見て、生徒の伸びた部分をたくさん褒めてあげたいと思っています。
「”いつでももう遅い”教育観」はダメ。やらない理由を探している時間はもったいない。諦めきれなかった人だけが奇跡を起こせる。
(72ページ)
これに関しては、我々大人にも当てはまるところがあるのではないかと思います。何かをやりたいと思ったときに、「もう遅い」などと考えて、諦めてしまうのはもったいないということです。
私も、生徒に「頑張ろう!」と言う以上は、何か新しいことに挑戦しないとと思っています。ダイエットして着れなくなった服をまた着れるようになりたいな、ベトナム語を勉強して話せるようになってみたいな、狩猟免許をとってジビエを作ってみたいな、しまなみ海道を1日で往復できるようになりたいな、高校生も全教科教えられるようになりたいな…、ちょっと考えただけでもこれだけ野望があります笑
少しずつですが、「もう遅い」とあきらめずに実現させてみせます!
AI時代、ロボット時代で生き残りたいならバランスよりも”尖る”こと
(77ページ)
あなたが持っている能力は、ある人からは「そんな能力には意味がない」と言われているかもしれない。でも、それは、別の人からしたら絶賛に値するものかもしれない。
(79ページ)
この部分を読んだとき、私は思わずニヤリとしてしまいました。前塾時代から生徒たちに言い続けてきたことだったからです。「今の世の中はオタクが強い。オタクになった方がいい。」と。
今の時代、そこそこの知識ならネットでちょちょっと調べれば、たいていのことは調べられます。逆に、正しくない知識まであふれていて、知識のない人であれば、どの情報を信頼すればいいのかわからないくらいです。
つまり、そこそこの知識での勝負であれば、ネットに溢れている、「無料で得られるそこそこの情報」に簡単に負けてしまうのです。
そこで、お金を払う価値のある情報を持っている人、ロボットでは目の行き届かない細やかな部分に配慮出来る人、自分の損得抜きで正しい情報を伝えられる人、誰も真似できないほどその分野に精通した人、というのがこれからの時代は強いのではないかと考えます。
実際、ゲームをやり続けた人にはプロゲーマーの道があります。面白いことを考え続けられる人にはYouTuberやお笑い芸人という道があります。ファッションに興味があるのなら、それがモデルやデザイナーの仕事につながります。
近くのゴルフ場の土を掘らせてもらって、そこから何千種類もの細菌を観察し、それが多くの人の命を救うイベルメクチンの開発につながることもあります。(ノーベル医学生理学賞を受賞された大村智先生の話です。)
だからこそ、一見すると無駄なことであっても、それを極められる人というのは、本当に素晴らしい才能だと私は思っています。そして私の仕事は、勉強の分野において何かを極めるための道案内をすることであり、また、勉強以外の部分を極めたいと思っている子どもたちに、勉強が足かせにならないように手助けをすることだと思っています。
私自身も、年間で300冊以上小説を読む友人から薦められた本は、本当に面白くて感動してしまい、以来その作者の人の本は集めるようになりました。年間で100本以上アニメを見る知人から薦められたアニメは、見終わった後「この作品に出会えてよかった」と強く思い、ついついDVDまで買ってしまいました。
こんなオタクな人たちと出会えて良かったと心から思いました。
例え仕事につながらなかったとしても、そういった出会いを与えてくれる人は、きっと良い人間関係に恵まれるのではないかと思います。
…話が長くなりすぎてしまいました。まだ坪田先生の本の4分の1ほどしか触れられていのですが、とりあえずここまでにしたいと思います。
それくらい、私にとって坪田先生の本は学びが多かったということです。
残りはまた明日、教材研究の合間に書いてみたいと思います。みなと祭りレポートもそのあたりで。
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