さかた塾中学部ブログ

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【読書レビュー】森達也『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』

みなさん、こんにちは!

 

さかた塾中学部、代表の西川です。

 

 

本日は中3の理社でした。

 

政治分野の復習、

選挙制度・国会・内閣

裁判所に地方自治

 

しっかりと確認が出来ていれば

何よりです。

 

 

「先生、マクドナルドには

 地方交付税交付金

 支払われているんですか?」

 

授業中にはそんな珍質問も

飛び出しましたが、

 

授業後にはきっと

理解してくれたはずです。

 

 

 

本日は、珍しく(笑)

漫画ではない本を

ご紹介したいと思います。

 

mitsui-publishing.com

 

映画「FAKE」で真実とは何かを問い、『ドキュメンタリーは嘘をつく』などでメディアの本質を暴露し続けてきた森達也最新刊。ポスト真実の時代に必須のメディア・リテラシー(=情報を批判的に読み解く力)を、中学生にもわかりやすく伝えます。「よりみちパン!セ」シリーズの名著『世界を信じるためのメソッド』に、SNSの影響など今日的話題を1章分加筆。親子で読める、フェイクニュースに強くなれる1冊!

 

広島出身の映画監督でもあり、

評論家・作家でもある

森達也さんについて、

 

初めてきちんとお名前とお話を聞いたのが

先日終わってしまった久米宏さんのラジオでした。

 

sakatajuku-chugakubu.hatenablog.com

 

映画監督で評論家でもある、森達也さんの

メディアのお話、共感できるところが多かったです。

 

ドキュメンタリーは「ありのまま」ではない、

おっしゃるとおりだと思いました。

 

ラジオでは、今の政治をメディアが

どのように報道しているのかについて、

メディアの在り方について、

非常に興味深いお話を聞かせてもらいました。

 

 

そして、同じタイミングで

塾講師の方々のグループで、

森達也さんの書籍のお話を聞きました。

 

入試によく出題されている、面白い、と。

 

f:id:chugakubu:20200902155005j:plain

 

ということで、購入いたしました!

 

 

読んでみると、

漢字にルビもふられており、

さらに、語りかけるような文体で

書かれているため、

 

上記の本紹介にもあるように、

親子で読める本で

 

説明文にしては

読みやすい文章だと思います。

 

 

こちらの本は、

メディア・リテラシー」について

中学生・高校生向けに

分かりやすく書かれた本です。

 

 

皆さんが目にするニュースというものが

どういう風に作られるかが書かれています。

 

 

 

例えば、ある事件が起こったとき、

 

みなさんは、報道している

テレビ・新聞は「ありのまま」を

報道していると思いますか?

 

 

実際のところ、テレビや新聞は、

色々な「編集」作業を行います。

 

 

事件現場に行って撮影をする

 

近隣住民・関係者への取材をする

 

それを何分の番組にするか決める

その際に、どんな風に報道するかを決める

(被害者の話を中心にする、

 被疑者の話を中心にする、

 同じ時期に起こった別の事件と

 関連付ける、などなど)

 

インサートといって、

イメージ画像を入れたり、

効果音を入れたり、

声優さんをつけて声を入れたり、

色々な加工をする

 

 

その際に、少しでも視聴率・視聴回数が

増えるようにと、「工夫」をします

 

 

みなさんが、少しでもテレビに

釘付けになるように、

過激な演出をすることが多いようです。

 

 

被疑者の普段からの異常行動を取り上げたり、

 

 

「陰湿でいつ犯罪を犯しても

 おかしくない人でした」

 

「そういえば中学校の頃から

 異常な行動をしていました」という

インタビューを放送したり、

 

 

声優さんに恐ろしい声を出してもらったり、

 

そういった形で、少しでも被疑者が

残酷な性格であるように「演出」をします。

 

 

スタジオでキャスターの人が

そのニュースに対してコメントをして、

「日本社会が抱える深刻な問題だ」

と言ってみたり、

 

挿入する音楽を恐ろしいものにしてみたり、

 

とにかく色々な工夫をして、

少しでも見ている人がそのニュースに

食いついてくれるようにしています。

 

 

 

その過剰な演出にだまされて、

 

実際に戦争に走ってしまう事例も

いくつもあったと紹介されています。

 

 

 

第二次世界大戦中に

ドイツのヒトラーがメディアを利用して、

国民を戦争へと駆り立てた話、

 

日本では、

戦争に反対していたマスコミも

自分の新聞が売れるために、

戦争を肯定するような

報道をしてしまった話、

 

 

1995年の松本サリン事件という

毒ガスによって死者が出た事件で、

 

第一発見者の方が、

犯人だと決めつけて報道され、

 

後に真犯人がわかるまで、

家族がものすごい誹謗中傷を受けた事件や、

 

 

2003年のイラク戦争開戦前、

アメリカ国内で

イラク兵が子供を虐待していると

涙ながらに証言した少女がきっかけで

アメリカはイラクとの戦争に

踏み切るのですが、

実はその少女が偽物だった話、

 

 

2017年にアメリカの

トランプ大統領が当選した際に、

相手側の候補者が

「テロ組織に武器を売却している」と

偽のニュースを流されて、

支持率を落としていた話など、

 

 

フェイクニュース

(嘘の情報に基づいたニュース)

によって、世界中が騙された話が

いくつも紹介されています。

 

 

 

また、フェイク(嘘)とは言わないまでも、

私たちはメディアによって

切り取った一部の情報だけを与えられ、

思いこんでしまっている部分も

たくさんあるようです。

 

 

アフリカの国と聞けば、

「ジャングル」「砂漠」「部族」「貧しい」

そんなイメージがあるかもしれませんが、

 

実際にはビルもあり、スーツ姿で

スマホを片手に取引をしている

ビジネスマンもいるそうです。

 

 

逆に海外の人の中には、

未だに「日本人」と聞くと、

 

男性は眼鏡をかけてカメラを首からさげ、

女性は和服を着て

男性の一歩後ろを歩いていると

本気で信じている人もいるそうです。

 

 

そんな中で、情報を受け取る側の

私たちがどんなことを理解し、

どんなことに気を付けなければならないかが

分かりやすく書かれています。

 

 

 

なぜ、メディアがそんな情報を流すかというと、

それは「私たちが望んだから」でもあります。

 

 

もっとわかりやすくして!

 

もっと過激な演出でビックリさせて!

 

もっと被疑者は自分たちと違う

異常な人間だと印象付けて!

 

正しいか間違ってるかは置いといて、

もっと早く情報を伝えて!

 

私たちのそんな思いが、

メディアをそのようにしてしまった

という一面もあると紹介されています。

 

 

この他にも色々なことが紹介されています。

ここでは触れていない、

重要なことも書かれています。

 

 

新版・旧版どちらでも構いませんので、

ぜひ手に取って、

世の中のことを考えるきっかけに

してもらえたらと思っています。

 

 

 

ちなみに私には、この本を読んでみて、

「なんだか見たことがあるな・・・」

という気持ちがよぎりました。

 

 

そこで、私の過去問ボックスを漁っていると

 

なんと平成23年の都立新宿高校

推薦の小論文で出題された文章が

 

森達也さんの

『世界を信じるためのメソッド』(旧版)

からの出典でした。

 

 

うわー!なんで気づかなかったんだ!!

 

自分は10年前にすでに

この人の文章に出会っていたじゃないか!

 

ということで、久しぶりの『再会』を

果たせたというお話でした。

 

  

森さんは現在、明治大学

教鞭をとられているようです。

 

 

もし、皆さんがこちらの作者に

少しでも興味をもってくれたなら、

 

大学で実際に森先生ご本人から

メディア・リテラシーについて

学ぶのも、とても刺激的ですね!

 

 

世の中に興味をもって

色々な事に詳しくなっておくと、

実際に国語や英語で

その話題が出題されたとき、

 

読むスピードが全く違います。

 

少し難しければ、先生やお家の人に

色々と聞きながら

読んでもいいと思います。

 

 

色々なことに興味を持っていきましょう!!

 

 

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必要があれば簡単な補習などを行って、

そのまま授業に飛び込んでもらいます。

 

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