さかた塾中学部ブログ

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【雑談】教科書・問題集による出会いも悪くない

みなさん、こんにちは!

 

さかた塾中学部、代表の西川です。

 

先日、自習に来ている生徒さんと

読書の話になりました。

 

「教室にある〇〇っていう本が欲しいと

 お母さんに頼みました。」

 

教室にある本で、

気に入った本が出来たらしく

それを買おうとしてくれたみたいです。

 

なんだか嬉しくなりますね。

 

 

今回は私が直接、

本を紹介したわけではなかったのですが、

おススメの本を紹介してもらうのって

「当たり」が多いと個人的には思っています。

 

 

高校時代、本をほとんど読んでいなくて、

読書週間をつけようと探したのは、

直木賞」などの受賞作品でした。

 

誰かからお墨付きをもらっているなら

面白くないわけないだろうと思ったのですが、

このチョイスは悪くなかったと思っています。

 

 

直木賞」や「山本周五郎賞」は

主に大衆文学に贈られる賞なので

受賞作は面白くて比較的読みやすいです。

 

「本屋さん大賞」、「このミステリーがすごい」

このあたりの受賞作品も、

あまり読書をしたことが無い人にも

おススメです。

 

 

逆に、「芥川賞」などは

少し敷居が高くなるかもしれません。

 

芥川賞」はいわゆる純文学、

登場人物たちの繊細な心情が

難しい表現や独特な比喩表現を凝らして

書かれているので、一度読んだだけでは

十分に理解したと言えるかどうか微妙です。

(少なくとも私にとっては・・・苦笑)

 

 

 

 

さて、そんなあまり読書習慣のない

私にとって、学校や塾の国語の授業というのは

文学作品に触れる貴重な機会でした。

 

 

今でも印象に残っているのは、

中2の模試を受けた時に出会った、

志賀直哉の『城之崎にて』です。

 

 

交通事故から一命をとりとめた主人公が

リハビリのために来ていた

兵庫県城崎温泉で、

ハチ・ネズミ・トカゲの

3つの生き物の『死』を目撃します。

 

「命があれば動いていたはずのハチと

 命が尽きて抜け殻になった物体」

 

「こどもにいたずらされ、

 懸命に生きようとしているけど

 死が約束されてしまったネズミ」

 

「たまたま死ななかった自分と

 石が当たって、

 たまたま死んでしまったトカゲ」

 

生きるとは?死ぬとは?

これを主人公が必死に考えます。

 

 

これが14歳の私の心を直撃し、

模試を受けた後、

学校の図書館で本を借りて、

何度も読み返してしまいました。

 

短編集に収められた作品の1つなので、

気軽に10分~20分くらいで読めます。

 

興味のある方は

ぜひ読んでみてもらえればと思います。

 

 

そして・・・

冒頭の、本を探していた生徒さんは、

先日の私の国語の授業で、

気になる作品に出会ったそうです。

 

 

広島出身の児童文学作家、

八束澄子さんの『ディア・ファーザー』です。

 

嫌いだったお父さんが

ある日突然亡くなってしまいます。

 

仕事ばかりで、家族のことなんて

気にも留めていない・・・

と思っていたお父さん。

 

しかしある日、お母さんの部屋で

亡くなったお父さんの手帳を見つけると、

そこには家族のことが

びっちりと書かれていました。

 

 

あんなにひどいことばかりしたのに、

こんなに思っていてくれていたなんて・・・。

 

というお話でした。

 

本当にいい話でしたよね。

 

 

冒頭の彼は、この本を探したそうですが、

古い本だから売っていなかったそうです。

 

 

 

 

そうですよね。

 

 

 

 

 

 

1994年の作品ですもんね。

 

 

 

 

 

 

え?なんでそんなこと知ってるのかって?

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

そりゃ買いましたもん笑

 

 

 

ということで、

こちらも本日から

新たに教室の蔵書の1つになりました笑

 

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彼が探していると教えてくれなければ、

私はスルーしていたと思います。

 

 

この出会いに感謝ですね!