【読書レビュー】三原和人『はじめアルゴリズム』
みなさん、こんにちは!
さかた塾中学部、代表の西川です。
いよいよ、広島県内では、
授業が再開されました。
そして、新入生の入学式を終えたみなさん、
ご入学、おめでとうございます!
新しい生活は、慣れるのに
精いっぱいかもしれませんが、
新年度なのでまずは何か1つ目標を持ちましょう!
sakatajuku-chugakubu.hatenablog.com
ちょうど1年前の記事でも書きましたが、
色々なものに期待をして頑張ってください!
水曜日は、中1の生徒さんには
LoqLogの説明も行い、
使い方などをまとめたプリントを渡しました。
お家でぜひ試してみてください!
中2の皆さんには、授業中に、
日曜日に受けてもらった模試の話をしました。
授業の時間を削って、
大切な話をしたつもりですので、
これが皆さんにとって、
きちんと意味のある時間に
なってくれたらと願っています。
さて、先週、
何やらすごそうなニュースが
飛び込んできました。
京都大学の望月教授が、
「ABC予想」という
これまで誰も証明できなかった
ある数学の難問を証明した、
というニュースです。
実際には、この証明は600ページにも渡る論文で、
既に2012年に発表されていましたが、
その論文が正しいかどうかを審査するのに
8年もかかっており、
この度、きちんと証明がなされていると
認められたということのようです。
新中2・新中3の生徒さんたちは、
「文字式を使った説明」というものを
塾で既に習っています。
『連続する3つの奇数を
2n-1, 2n+1, 2n+3として・・・』
といった風に、整数の性質を
文字式を使って説明する練習をしています。
なかなか大変ですが、
中学生が習う証明は
長くてもせいぜい10行程度ですよね?
今回の「ABC予想」に費やされたページ数は
なんと600ページ・・・
つまり、証明問題の最高レベルのものが
今回の「ABC予想」の証明と言えます。
そもそも「ABC予想」って何?
ということで、少し探してみましたが、
こちらが比較的わかりやすかったです。
それは、a+b=cという単純な足し算から始まる。
正の整数aと整数bの「和」であるcと、
三つの数a、b、cそれぞれの素因数の「積」を考えた時、
和と積の間に、ある特別な関係があることを示している。
具体的にa=1、b=8で考えると、
aとbの和は「1+8=9(c)」となる。
次に、b=8は「2×2×2」と素因数分解できるので
素因数は2。同様にc=9は「3×3」で素因数は3となる。
aは1なので素因数はない。
すると、a、b、cそれぞれの素因数の積は
「2×3=6」となる。
この場合、和であるc=9と、
積である6を比べると和が積より大きい。
だが、実は、無数にあるa、b、cの組み合わせを試すと、
ほとんどで、積が和より大きくなる。
ABC予想は和が積より大きくなるのはとても珍しい、
ということを主張している。
素因数分解というのは、既に新中2・新中3の
生徒さんたちは学校か塾で習っているはずなので、
少しは理解できると思うのですが、
それでも難しい・・・。
そしてそれを証明されたことが
数学の世界において、
どれだけの影響があるかついて、
記事には、以下のように書かれています。
ABC予想は(中略)、2千年以上の歴史がある整数論の中で「最も重要な未解決問題」と言われていた。
(中略)
証明に350年以上かかった「フェルマーの最終定理」も、ABC予想を発展させると、数ページで簡単に証明できてしまうほどだ。
17世紀に作られ、1995年にワイルズによって
証明された、「フェルマーの最終定理」
というのが次のものです。
以前の教室にいた生徒で、
これを証明しようと色んな数字の3乗を
書き出して、頑張って並べていた生徒がいましたが、
このような350年以上証明できなかったものも、
「ABC予想」にかかればすぐに証明できるというのです。
なんだかよくわからないけど、
すごい世界だな~と思ってしまいます笑
ちなみに、世の中には、
「ABC予想」と同様に、
「リーマン予想」、「ホッジ予想」、
「BSD予想」など
非常に重要な問題でありながら、
未だに仮説段階で
証明されていないものがいくつもあります。
上記3つの予想は、見事に証明できれば
懸賞金100万ドルがもらえます。
さて、日本人でこれらを証明できる人は
今後現れるでしょうか・・・。
そんな、数学の深い世界に
足を踏み入れて楽しむことが出来るマンガを
紹介したいと思います。
こちらのマンガは、
今通ってくれている、
数学をさらに伸ばしたい生徒たちに
「小6で数検1級とる子が主人公のマンガだよ。」
と言いながら、ちょこちょことお薦めしています。
以前、今年北高に合格したとある生徒に
この本をお勧めしたところ、
「数学のやる気がめっちゃ上がりました。
この本を読んでからは、
塾から帰った後、数学の問題を解いてます。」
と、言ってくれました。
それだけのパワーがある本だと思います。
老数学者・内田豊は地元での講演後、
ふらりと立ち会った母校で、
「数字」と遊び、「数学」の才能に溢れた
小学5年生・関口ハジメに出会ったのであった…。
足す足す引く引くワクワクドキドキ!
ワンダーボーイ、数字と一緒に世界を大冒険!
読めば数学が少し好きになる、天才が少し好きになる!!
主人公の一人、内田豊は数学者のおじいさんです。
ある日、自分の故郷で講演会をした帰り道で、
不思議な少年と出会います。
それが小学校5年生の関口ハジメ、
このお話のもう一人の主人公との出会いでした。
ハジメは誰から教わったわけでもないのに、
自分のオリジナルの式を作って、
数学を解き、数学で遊ぶ天才少年でした。
第一話で、内田とハジメが
出会って最初のやり取りが
「ハジメ君、君は数学で何をしたいのだ?」
「世界を全部知りたい。」
というものです。
数学で世界を知る、・・・壮大なお話ですね。
これを聞いて、内田先生は、
先の短い自分の残された使命は、
この子を導くことだと直感的に感じ、
ハジメの両親を説得し、彼を京都に連れてきて、
数学を鍛え上げるようになります。
そこからは、新たな数学や新たな人との
出会いと別れを経験していく・・・
というお話です。
作中に登場する数学の問題を監修をしているのは、
望月先生と同様に京都大学で数学の研究をされている
三澤先生という方のようで、
高校で習う数学の範囲を超えた
難しい話も多いのですが、
数学の話が理解できなくても面白いですし、
分からない中でも知的好奇心を刺激されます。
第1巻で登場する、「カプレカ数」のお話を
ご紹介したいと思います。
何でもいいので、4ケタの数字を思い浮かべましょう。
(ただし、1111のような全てゾロ目はダメです。)
たとえば、2938という数字にしてみます。
この2,9,3,8という4つの数字を
並び替えたときにできる、
(最大の数)-(最小の数)を計算します。
ここでは9832-2389=7443となります。
以下、(最大)-(最小)を繰り返します。
7443-3447=3996
9963-3699=6264
6642-2466=4176
7641-1467=6174
実はこれ、どの4ケタの数字でやっても、
最後は必ず「6174」にたどり着きます。
この「6174」を発見者の名前にちなんで、
カプレカ数と呼ぶわけです。
実際にやってみて、確かめてみてください!
授業では教われないような、
お仕事の話、お勉強の話に関しては、
教室に置いてある本で上手く補おうと思っています。
学校の授業時間や、部活動が縮小されていて、
時間に余裕がある生徒さんは、
友達とのグループラインや、ゲームもいいですが、
ぜひ本を読んでみてください!(貸出も可能です)
現在、無料体験生を募集しています!
ご面談で生徒さんの学習状況を確認したのち、
必要があれば簡単な補習などを行って、
そのまま授業に飛び込んでもらいます。
ご面談のご予約は
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