【読書レビュー】藤のよう『せんせいのお人形』
みなさん、こんにちは！
さかた塾中学部、代表の西川です。
明日土曜日は、生徒さんからのリクエストが
ありましたので、朝９時から教室を開けます。
よろしければ、来週のテストに向けて、
活用してください。
本日は、もう間もなく塾にも置くであろう
本のご紹介をしたいと思います。
身寄りのない女子高生・スミカを名門女子高教師である昭明が引き取ることになった。 彼はスミカに宣言する。 「おれは教育するよ、君を」
以前、阪田先生が
大絶賛されていたマンガです。
私も気になって読んでみましたが、
何かを学ぶって
素敵なことだなと思うと同時に、
教育の大切さを切に感じました。
どちらかというと、
生徒さんに、
というよりは保護者の方に
読んでみてもらいたいマンガです。
タイトルも、１巻の冒頭も、
なんだか暗ーい感じを受けます。
主人公のスミカは高校生の女の子ですが、
両親がいないため、
親戚中をたらい回しにされた挙句、
その親戚の家庭の中で、お金だけ与えられ、
倉庫での暮らしを強制されていました。
ちゃんとした言葉遣いも、
あいさつも勉強も
毎日お風呂に入ることすらも、
何も教わってこなかったスミカ。
そんな状況から、自分にも周りにも
興味が無くなっていたスミカ。
そんな彼女を親戚の中で、
次に押し付けられたのが、
女子校で教師をしている昭明でした。
多感な女子高校生を
なぜ独り身で子供もいない
自分が・・・
昭明は始めは、
生活環境だけを与えて、
お互い干渉しない生活をしようと
考えていましたが、
スミカの様子を見て、
その方針を改めます。
（※昭明さんは、
めちゃくちゃ目つきと言い方が
きついですが、とてもいい人です。）
「このまま一生そのつもりか？」
「このまま全部人のせいにして
流されるように生きたいか？
自分で自分の手綱をとるか？」
こうして、
教師と、何も持っていない少女の
奇妙な生活が始まります。
次のシーンも印象的でした。
昭明が同じ学校のシスターに
「教育とは何か？」を尋ねるシーンです。
子供を「花」に例えるというのは
何度か見た気がしますが、
この「庭」の例えは非常に面白いですね。
周りの大人が庭の手入れをしてあげて、
さらに庭の手入れの仕方も教えてあげる。
そうして、子供が大きくなって、
自分で庭の手入れをするときに、
困らないようにしてあげるのが教育であると。
大人がいくら「花」を「庭」に植えても、
その「花」がきちんと育つかどうかは
「庭」に任せて見守るしかありません。
手入れをすることは悪いことではないけれど、
水をあげすぎて花を枯らしてしまったり、
相性の悪い花を植えてしまったり、
そんな風な「手のかけすぎ」があるかもしれません。
本当に深い例えだと思います。
スミカの荒れ放題だった「庭」は
こうして少しずつ、整ってきます。
印象的だったのは、
美術館や博物館に行く場面です。
昭明さんの家に来たばかりのとき、
これがたった数か月で・・・
こんな風に変わります！
知らないことを知るのが楽しい、
勉強をして世界がわかるのが楽しい、
関係なかった知識がつながるのが楽しい、
もちろん、この物語はフィクションですが、
こんな風に世の中のことを教えてあげられ、
子供たちの世界を広げてあげられる先生に憧れます。
あとは、お気づきだと思いますが、
この漫画は全編カラーです！
だからこそ、
最初のスミカの暗い世界感や
色々なことを学んで、
世界が明るくなる様子というのも
よくわかります。
本当に素敵なマンガなので、
近々教室にも置きます！
気になった方は、
ぜひ手に取ってみてください！
（とっておきのシーンがあるのですが、
あえて今回は紹介しませんでした・・・ふふふ）
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