さかた塾中学部ブログ

旧・さかた塾中学部の19年度、20年度ブログです。最新のものは「進学塾ライトアップ」のHP( https://lightup-onomichi.com/ )をご覧ください!

【読書レビュー】犬塚美輪『生きる力を身につける14歳からの読解力教室』

みなさん、こんにちは!

 

さかた塾中学部、代表の西川です。

 

まずは本日の中3コメントです。

 

学年末試験に向けて

 副教科をした。

 覚えることがたくさんあるので、

 早く覚えたいと思う。

 あと少しは5教科をやる。」

→ 早めに終わらせよう!

 

 あいつには負けたくない、

 その熱い気持ちもしかと聞きました!

 

 ライバルや目標がいるって素敵です。

 負けないように頑張ろう!

 

 

「もう少しで本番なので、

 しっかりと体調を整えたい。」

→体調を整えるのは、

 社会人になった時に必要ですし、

 高校で休みがちだと

 授業についていけなくなります。

 

 頑張ろう!

 

 

「2月に入ってしまった。

 もう後少しで入試だ。

 限界をこえます。」

→本当の本当に、

 最後のラストスパートですね。

 悔いの残らないように、

 残り1日を過ごしましょう!

 

 

「受験までは『密』を

 受験では『ミス』を避けます。」

→憎いくらいの余裕ですね笑

 油断なく、最後まで・・・!

 

 

さて、本日は

以前も少しブログで取り上げた、

国語力に関する本のご紹介です。

 

 

genkai-shobo.jp

 

https://kasamashoin.jp/2020/08/27906.html

(出版社のHPはこちら)

 

「日本の15歳『読解力』15位に後退」など、読解力低下問題が世間を賑わせています。読解力が必要な場面は、国語は言うに及ばず、英語、数学、社会、理科、小説、エッセイ、論説文、新聞、マンガ、図解、グラフまで多岐に渡ります。AIに負けない本当の読解力は、メディアのジャンルを超え、学校、社会、家庭で、力強く「生きる力」を育ててくれます。

 

本書は「読むのが苦手」「読解力が大事って言われても……」と、ちょっと嫌そうな顔をしている中学生3人が、案内役の犬塚先生と共に、
「文字が読めれば読めたことになりますか?」
「「わかる」ということはどういうことですか?」
「たくさん本を読めば読解力は向上しますか?」
「マンガは読解力に役立ちますか?」
「図やグラフを読むのに読解力は必要ですか?」
といった疑問への答えを心理学の観点から探していきます。

 

本文はイラストレーター・松本セイジさんほか図版も充実。現役中・高生から、子供の読解力に関心のある保護者、読解力を身に付けたい社会人まで、わかりやすく読解力を学べる内容です。

 

もくじ
 はじめに
 Ⅰ 「読む」とはどういうことか
  第1章 読解力は必要か
   〝本〞〝文章〞にも色々ある
   読解力は必要か
  第2章 なんで「読めない」の?
   誰でも文字を読むことができる、と言えるか
   文字が読めれば読める?
   それでも分からないこともある―トップダウンの読解
  第3章 暗記と理解はどう違う?
   人の知識はどういうものか
   人が憶える仕組み1 二重貯蔵庫モデル
   人が憶える仕組み2 「まとめろ!」の巻
   人が憶える仕組み3 「つなげろ!」の巻
   記憶と読解力―言葉の知識の2つの重要性
  第4章 忘れてしまうのはなぜ?
   忘れる理由その1 転送失敗
   忘れる理由その2 つながりがたどれない
   忘れる理由その3 作り直し
   忘れないためにはどうすればいい?


 Ⅱ 読解力を高めよう
  第5章 読解力向上のためには「たくさん本を読む」しかないの?
   読んで分かるための「頭の使い方」―読むための方略
   方略マスターへの道―3つの壁を破る
  第6章 マンガはやっぱりだめですか?
   マンガ派vsマンガ否定派
   「物語化」の功罪
   視覚化の効果
   トップダウンの処理とマンガ

  第7章 図とかイラストを増やしてほしい?
   図で分かりやすくなる?
   図の分かりやすさの秘密
   図の効果と副作用
   マルチメディアも同じこと
  第8章 読解力は一人で鍛えるモノ?
   自分が分かっていないということが分かっているか―メタ認知
   友達と読むことの良さ
   方略を練習する仲間としての友達


 Ⅲ 「読む」だけが読解じゃない
  第9章 書いてあることは本当?
   本当かどうか考えながら読む「批判的読解」
   批判的に読むための方略
  第10章 先入観はなくせる?
   先入観が理解を邪魔する
   人間の考え方のクセ
  第11章 主観は排して読まねばならない!?
   ついつい気持ちが入ってしまう
   直感を活かして考える
  第12章 結局のところ読解力ってなに?
   読むとはどういうことか
   「読解力」をつける
   読解力を高める

 

勉強の仕方などを書いたハウツー本というのは

塾の先生のもの、教育熱心な〇〇ママのもの、

色々とありますが、

 

実際に教育に関して、研究をされている

大学の先生の本も読んでみようということで、

こちらを読んでみました。

 

先生と、3人の生徒さんの

対話形式でお話が進んでいくので、

中学生でも非常に読みやすいと思います。

 

 

まずは物語の読み方に関して、

「物語文法」というものがあるそうです。

 

・設定(場所・時間・登場人物

・主題(解決すべき課題)

・筋立て(解決方法)

・解決 

 

例えば、中1の教科書に出て来る

『花曇りの向こう』なら、

 

・設定(場所は中学校、

    時間は中1の入学から野外学習前、

    登場人物は『僕(宮下)』と

    『ばあちゃん』と『川口君』)

 

・主題(『僕』がクラスになじめない)

 

・筋立て(解決方法はバスケ、

     野外遠足のおやつ)

 

・解決(川口君とちょっと話せるように

    なってこれから友達出来るかも!)

 

 

同じく中1の『星の花が降るころに』なら、

 

・設定(場所は中学校、

    時間は小6秋から中1秋にかけて

    登場人物は『私』『戸部君』『夏実』)

 

・主題(夏実とギクシャク

    していて仲直りしたい)

 

・筋立て(解決のきっかけは戸部君との会話、

     掃除をしているおばさんとの会話)

 

・解決(常緑樹も新しく葉が生え変わるように

    人も変わっていくもの。

    だから、どうなってもきっと大丈夫。

    ・・・と思えるようになった。)

 

 

f:id:chugakubu:20210201165238j:plain

 

物語の場合には、これを意識することが大切。

 

確かにそう思います!

みなさんもぜひ実践してみよう!

 

 

そして、

「読める」(=音読ができる)

ということと、

 

「読める」(=言葉の意味が分かる)は

全くの別ものだということも書かれています。

 

 

では、きちんと「読んで分かる」ためには

どうすれば良いのか。

 

ここで筆者は、

文章の読み方2つを紹介してくれています。

 

トップダウン』:読者のもともと持っている

         知識を基にして読む

 

ボトムアップ』:トップダウンが出来ない

         ときに、文1つ1つの意味から

         文全体の意味を把握していく

 

という2つです。

 

学年が上がって、論説文などで

文章が難しくなればなるほど

ちゃんと知識があること、

つまり『トップダウン』が大切になります。

 

 

では、そのための知識をどうやって

覚えれば良いのか。

 

 

f:id:chugakubu:20210201165443j:plain

 

犬塚先生は知識を覚えるためには、

今までの自分の知識と結び付けて

覚えることが大切だとおっしゃっています。

 

 

私が授業中に身近な例を出していくのも

みなさんのネットワークの中に

新しい言葉が上手く入っていって

頭の中に残ってほしいからです。

 

 

「深成岩の花こう岩っていうのは、

 お墓の石によく使われてる、

 

 白っぽいのとか黒っぽいのとか

 キラキラしたのとかが混ざった

 あの石のことね!」

 

 

「電磁誘導は昼ドラだから!

 ドロドロした男女の三角関係を

 イメージしてね!」

 

 

「『胸を貸す』『胸を借りる』

 っていうのは、

 お相撲さんのぶつかり稽古を

 イメージしてね!

 

 弱い力士が強い力士に

 張り手をさせてもらって、

 稽古をつけてもらっているところから

 

 『実力のある人に、力をつけるために

  練習相手になってもらう』

 って意味になるからね。」

 

 

「ブラジルって、

 アマゾン川があるじゃない?

 ってことは水がいっぱいあるから、

 何発電がさかんだと思う?」

 

 

「help oneself to ...は

 『…を自由に取って食べる』

 って意味だけど、

 これは、セルフサービスって覚えてね。」

 

 

などなど、他にも色々と語呂もあって、

覚えてもらう工夫はしているつもりです。

 

 

時には、実際に静電気を発生させたり、

 

ボールを使って月の満ち欠けを説明したり、

 

外の雑草を抜いてきて、

平行脈の草がひげ根であることを

確認したりしています。

 

 

そうやって、

 

①グループを作ってまとめたり、

 対比させたりする『整理』

 

②イメージさせたり、

 ストーリーを作ったり、

 語呂合わせをする『意味付け』

 

覚えるためにはこのような工夫が大切です。

 

 

まずは知識をどんどん入れないと、

難しい問題には対処できないので

やり方を工夫しながら、

しっかりと必要な知識を覚えていきましょう!

 

 

そして、読むことが苦手な中学生のための

ヒントを与えてくれるのが、

「読解力を向上させるための6つの方略」です。

 

f:id:chugakubu:20210121133754j:plain

 

ことらをしっかりと意識をするために

6つの作戦が必要になるわけですが、

 

ここでは・・・あえて載せません笑

 

 

sakatajuku-chugakubu.hatenablog.com

 

この方略を見ながら、

 

読書カードの話を思いついてしまったので、

新年度には実行しようと思います。

 

また、本の読み方という形にまとめて

生徒さんたちに配ろうかとも思っています。

 

このあたりはもう少しお待ちください。

 

 

これ以降も、

 

マンガは良いか悪いか

 

図やイラストの良い点悪い点

 

読解に必要な「メタ認知」の話

 

国語学者齋藤孝先生や

哲学者の戸山田和久先生の読書術

 

 「グループワーク」の利点

 

 

などなど、色々と興味深い話もありました。

 

私自身がまずはきちんと、

この本の内容を消化して、

きちんと生徒さんたちに

具体的な行動をしてもらえるように

実際の活動に活かしたいと思っています。

 

 

興味のある方は、

ぜひ読んでみてください!

 

 

現在、無料体験生を募集しています!

(一部募集を終了している学年もあります。)

 

ご面談で生徒さんの学習状況を確認したのち、

必要があれば簡単な補習などを行って、

そのまま授業に飛び込んでもらいます。

 

ご面談のご予約は

ホームページのお問い合わせフォーム

もしくは0848-29-9775

(受付時間:火曜日~土曜日の14時~22時、

 時間外ですとお電話に出られないこともございます)

にお電話ください!