さかた塾中学部ブログ

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【読書レビュー】貫井徳郎『乱反射』

みなさん、こんにちは!

 

さかた塾中学部、代表の西川です。

 

 

さて、最近教室にある小説や本を

生徒さんたちが借りていってくれている

というお話をしました。

 

そんな小説の中でも、

貫井徳郎さんの『乱反射』について

お話をしたいと思います。

 

 

この小説のジャンルはミステリーです。

 

何か事件が起こり、

その事件が解決するまでのお話、

探偵や警察が犯人を捕まえるまでのお話

というのがミステリーです。

 

東野圭吾さんや湊かなえさん、

宮部みゆきさんなどの作家さんや、

シャーロックホームズのお話などが

このジャンルで有名です。

 

 

この中でも私が好きな作家さんが

貫井徳郎さんです。

 

 

デビュー作の『慟哭』や『神のふたつの貌』

新月譚』では宗教というものをテーマに、

 

『誘拐症候群』『失踪症候群』『殺人症候群』

の症候群3部作では必殺仕事人のような

警察裏組織が活躍し、

 

『鬼流殺生祭』『妖奇切断譜』では

明治初期のレトロな世界観で、

 

『さよならの代わりに』はSFチック、

『追憶のかけら』はちょっと恋愛要素も、

『転生』は臓器移植、

『天使の屍』は中学生のイジメ、

『プリズム』は登場人物を様々な視点から、

 

とにかく色々なテーマで

色々な技巧を使いながらの作品が多いです。

 

 

私が貫井徳郎さんを好きなのは、

そのテーマの重さと、

時にはバッドエンドもいとわない、

展開の重さです。

 

 

東京に仕掛けられた時限爆弾が

大爆発して終わる作品もあれば、

 

謎は突き止めたものの、犯人は捕まえられず、

主人公が殺されて終わるものもあります。

 

犯人の片方が、もう片方を『食べて』しまう

という衝撃のラストもあります。

(さすがにこれは教室には置いていません笑)

 

 

読んだ後、「スッキリした!」ではなく、

お腹の底に黒い塊がズーンと残ってしまうような

そんな作品も時にはあり、

 

本当に最後の最後まで結末が分からないところに

心を掴まれてしまっているんだと思います。

 

 

その中でも、私が今どうしても気になっている、

つい思い出してしまう作品が『乱反射』です。

 

 

このお話は、ある小さな男の子が

嵐の日に、倒れた木の下敷きとなり、

死んでしまった事故に関するお話です。

 

 

 

 

(以下、微妙なネタバレをします笑)

 

 

 

 

 

 

この作品のすごいところは、

『犯人がいない』ところです。

 

そりゃそうですね。ただの事故なんです。

 

 

だけど、このお話の最後に、

死んだ男の子の父親は

ある重大な結論にたどり着きます。

 

それは、『犯人は私たち全員』という事実です。

 

 

・・・意味不明ですよね?笑

 

『犯人はいない』のに『全員が犯人』。

 

 

つまり、

「私たち一人ひとりの

 ちょっとした自己中心的な決断、

 ちょっとしたマナー違反の積み重ねが、

 いつか誰かを殺すかもしれない」

ということです。

 

 

今の世の中のコロナ騒動を見ていると、

どうしてもこの『乱反射』のことを

思い出さずにはいられません。

 

 

ニュースで取り上げられた大阪のパチンコ店に

「あのパチンコ屋は開いているのか!」と、

府外からもお客さんが殺到する、

 

東京の観光地や神奈川の海岸が

この時期でもにぎわっている、

 

駐車場を利用禁止にしたら、

その近くに路上駐車をしてまで、

河原でバーベキューをする人がいる

 

帰省しないで、旅行しないでと

言われているのに出かけてしまう

 

 

別に法律違反をしているわけではないので、

この人たちを断罪することは出来ません。

 

悪いとも明確には言いきれません。

 

 

けれど、こうした行動が積み重なった結果、

 

ダイヤモンドプリンス号の中と、

海外からの帰国者数人から始まった

日本のコロナウイルスは、

 

検査して確定している人数だけでも

感染者は1万3000人以上、

死者は370人を超えました。

 

世界では感染者290万人越え、

死者20万人越えの

大きな大きな混乱を起こしています。

 

まさに『乱反射』、

貫井さんは今日のこの事態に

警鐘を鳴らしていたのかとさえ思えます。 

 

 

 

さて、どうやらGWが明けても

子供たちは学校には通えなさそうです。

 

私も休業要請を受けながら、

塾を開けているわけなので、

改めて自分の行動に責任を持って

よく考えたいと思います。

(万全の対策をして、開け続けるつもりではいます。)

 

 

興味のある方はぜひ、

手に取って読んでみてください!