さかた塾中学部ブログ

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【雑談】作られた「物語」を超えよう!(前編)

みなさん、こんにちは!

 

さかた塾中学部、代表の西川です。

 

本日は中1の生徒さんは、体験生を含めて

全員自習に来てくれました!

 

その調子!

試験前はしっかりと勉強時間を増やして、

全力でテストに臨もうね。

 

本日の中3の授業は最後に、

「来週・再来週には中間テスト、

 1か月後には期末テスト、

 1か月半後には3者面談で内申が返され、

 2か月後には私立の願書を取り寄せて、

 3か月後からは入試が始まるよ。

 

 今勉強している内容をいちいち復習する

 時間なんてないから、今完璧にするんだよ。」

 

というお話をしました。

 

とにかく今の時期は、

「ひたすら勉強している」という状態が正解なんです。

 

ここからさらにペースが上がって、

勉強により一層取り組んでもらえたらと思います。

 

さて、本日は2週間ほど前の授業のお話を・・・

  

尾道市の中3の国語の教科書に、

「作られた『物語』を超えて」という

評論文(説明文)があります。

 

先日、中3でこの教材を扱ったときにした話を

実際のニュース記事などを交えながら、

少しお話してみたいと思います。

 

この文章は、

ゴリラの「ドラミング」という

胸を叩く行為に関して、

多くの人に誤解されてしまった歴史に触れています。

 

十九世紀の中頃にアフリカで

初めてゴリラに出くわした

ヨーロッパの探検家たちは、

ゴリラをとても凶暴で

好戦的な動物と見なした。

 

それは、二足で立ち上がり、

てのひらで交互に胸をたたく

ドラミングと呼ばれる行動を、

戦いを宣言していると

解釈したからだった。

 

(中略)

 

やがて、ゴリラをモデルにした

キング・コング」という映画が製作されて

世界の人気をさらい、

人々はますます

ゴリラを暴力の権化、

戦い好きな怪獣と見るようになった。

 

ゴリラは獰猛・凶暴・好戦的、

そんなイメージが生まれ、

アニメや映画では凶暴な敵として

描かれることで、

その悪いイメージが

さらに拡大していったことに触れています。

 

しかし、ゴリラの群れの中に入って

じっくり観察できるようになると、

このイメージは

人間によって作られたもので、

大きな間違いであることがわかってきた。

 

実際には大人しい動物であるはずのゴリラが、

ゴリラは凶暴な動物である、という

「物語」が作られてしまったことで、

殺されたり、見世物にするために捕獲されたり、

鎖で檻につながれてしまったり、

そのイメージが払拭されるまでは、

悲劇的な運命をたどりました。

 

話を作り、伝える能力は、

言葉を持った人間に

多くの仲間と交流できる世界をもたらした。

 

そのおかげで、

人間は見知らぬ人々と出会っても

すぐに受け入れることができるし、

遠く離れた場所で起こった出来事を

いっしょに喜び、悲しむこともできる。

 

現代はさまざまな文化や社会で暮らす人々が

国境を越えて行き交う時代である。

 

だからこそ、

自分勝手な独りよがりな解釈を避け、

常識を疑う。

 

何より自分を相手の立場に

置き換えて考えてみる視点が重要である。

 

作られた「物語」を超えて、

その向こうにある真実を知ろうとすることが、

新しい世界と出会うための鍵なのだ。

 

筆者は「物語」を作ること自体は、

人間に与えられた素晴らしい能力であると

認めながらも、

それが独り歩きしてしまう危険性を

訴えかけています。

 

 

この話を授業で扱った際に、

私は生徒さんたちに2つのお話をしました。

 

 

1つは今年1月に起こった、

ある都立高校での体罰事件です。

 

www.sankei.com

 

 東京都町田市の都立町田総合高校で、

生活指導担当の50代の男性教諭が、

高校1年の男子生徒(16)の顔を殴るなどの

体罰を加えていたことが18日、

教育委員会への取材で分かった。

 

暴行の場面を撮影したとみられる動画が

無料動画サイト「ユーチューブ」に投稿され

会員制交流サイト「ツイッター」で拡散。

生徒が教諭に「ツイッターで炎上させるぞ」

「小さい脳みそでよく考えろよ」などの

暴言を浴びせた後、

教諭が暴行する様子が収められていた。

都教委は処分を検討している。

 

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ああ、確かにこんな事件あったな・・・

と記憶に残っていらっしゃる方もいると思います。

 

この事件の切り取られた箇所だけを見れば、

学校の先生が生徒に体罰を行った。

 

ここから「物語」を広げると、

 

この学校では体罰が日常的に行われている

最近の学校の先生は異常者だ

こんな先生は早く辞めさせるべきだ

 

 

こんな「物語」が作られてしまいます。

問題発覚直後には、

このような意見もたくさん耳にしました。

 

 

しかし、実際には投稿された動画には

その前に切り取られた箇所があり、

暴行を受けたとされる生徒が、

 

教師を侮辱する発言を繰り返し、

その動画を撮っている生徒たちから

「炎上させようぜ」と面白おかしく

話している様子が残っていました。

 

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もちろん、教育者が暴力・暴言を浴びせる

ということ自体が問題がある行為なのですが、

 

それでもこの情報を追加すると、

事件の印象がだいぶ変わって来ると思います。

 

今では、この暴力被害を受けた生徒を特定し、

ネット上で個人情報がさらされ、

この生徒のことを悪く言う発言が目立っています。

 

 

ですが、ネット上にあふれている

この生徒を中傷する情報も

作られた「物語」かもしれません。

 

もしかしたらこの生徒は日常的に教師たちから

何かを言われ、それが積もり積もって

今回の教師を侮辱する発言につながったのかもしれない。

 

もしかしたら、生徒の家庭環境や

友人関係に何か根本の原因があるのかもしれない。

 

 

だからこそ、

軽々しくその先生や生徒の人格を否定するのではなく、

行為のみを否定してあげてほしいのです。

 

悪いことを行った人物を糾弾する行為が、

その人やその人の関係者、

あるいは全く関係のない人にまで飛び火する

可能性だってあることをよく考えてほしいと思います。

 

 

中3の生徒さんたちには、

そのように、誰かの都合の良いように

切り取られてしまった「物語」だけを見て、

物事を判断しないようにしていかないといけないね、

とお話をさせてもらいました。

 

 

このお話から得た教訓、

というわけではないのですが、

 

私自身も、生徒さんたちの

塾での勉強にそぐわない行動を注意する際には、

その行為に対して注意し、その生徒の人格を

否定してしまわないようにと心がけています。

(それでも誤解を与えてしまったり、

 ついカッとなって

 上手く伝えられないこともありますが・・・)

 

 

私が偉そうに言える立場ではないのですが、

保護者の方々、

それにこれを呼んでくれている生徒さんも

身近な誰かを怒らなければならないとき、

このことを少し意識して頂けると

相手の心に傷を負わせずに済むのかなと思っています。

 

 

このような文章をただの国語の授業の文章、

テストに出るところだけ勉強すればそれで終わりだ

と思って消費するのはもったいないですよね?

 

文章を読み終わったあとは、

どういうことが言いたかったのか、

文章に書かれていたことを意識すると、

自分の生活に何か活かせることは無いか、

など考えるととても良い学びになると思います。

 

 

そして、授業中にしたもう一つのお話を・・・

と思いましたが、

ここまでで少々長くなってしまったので、

また次回にでもお話しようと思います。

 

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