さかた塾中学部ブログ

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【季節講習】夏期13日目!&【読書レビュー】灰原薬『応天の門』

みなさん、こんにちは!

 

さかた塾中学部、代表の西川です。

 

お盆前最後の3日間の初日が終わりました!

 

中3は関係代名詞の仕上げと

2次関数の仕上げ1歩手前の部分です。

 

お盆前にはしっかりと区切をつけて、

宿題をがっつり出したいと思っています!笑

 

 

さて、本日は久しぶりに読書レビューをしたいと思います。

 

 

灰原薬応天の門

www.comicbunch.com

 

 ひきこもり学生の菅原道真と京で噂の艶男在原業平――身分も生まれも違う、およそ20歳差のふたりが京で起こる怪奇を解決!? 「回游の森」「SP」の気鋭・灰原薬がおくる、平安クライム・サスペンス!

HPより

 

先日、長江口の近くにある御袖天満宮に行ったことを

以前の記事でお話しましたが、 

【季節講習】夏期4日目!&【雑談】住吉花火大会に行きました! - さかた塾中学部ブログ

 

それはこちらの漫画の影響があったからです笑

そのくらいドハマりしてしまいました!

 

 

学問の天才で陰気な菅原道真と、

多くの女性を虜にしてきた貴族の在原業平という

異色のコンビが都の謎に立ち向かっていくお話です。

 

とにかく、時代設定が忠実で、

それだけでもワクワクします。

 

本郷和人さんという方が、

時代設定の監修に携わっているそうですが、

漫画の合間に挟まれる本郷先生の平安時代解説も

ユーモアに富んでいてとても面白いです!

 

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これは私の高校時代の日本史のプリントですが、

ここに書かれている人たちが何人も登場します。

 

 

摂関政治全盛期の礎となった藤原良房と基経、

藤原一族によって天皇に祭り上げられた幼い清和天皇

基経の妹で、のちに清和天皇に嫁がされる藤原高子、

豪儀な性格で、嫌われ者の紀豊城を受け入れた伴善男

 

文字でしか見たことのなかった人たちが

漫画の中で血の通った人間として登場するので

読んでいて本当に楽しいです。

 

 

当時の役職や用語も

古文や日本史で名前とだいたいの意味は

知っているけど・・・という状態だったのですが、

読んでいて色々と理解が出来ました。

 

 

・物忌みや方違えなどの当時の風水

「今日は東の方角に行くのは縁起が悪いから、

北東の方角に進んで一休みしよう」、

みたいな当時の風習も、

文字だけでなく絵として見ると

リアリティーが違います。

 

実際に祟りを恐れているわけじゃなくて、

「今は誰とも会いたくないから、

 物忌みってことにしちゃえ!」って

そういう都合の良い口実に使われたりするよね、

と妙に納得できる部分もあります。

 

 

 

・お風呂に毎日入れない当時の人はどうしていた?

これは地味に気になる部分ですよね・・・笑

本郷先生の解説にあるのですが、

当時の人たちはお香をたいて、

その匂いを服や髪の毛につけることで

体臭をごまかしていたようです。

 

きっと中国から来た最先端のお香とか、

都で流行っているお香とか、

今と同じように、

貴族たちも流行に敏感だったようです。

 

そして、作中の在原業平は、さすがモテ男!

女性の香りの記憶力がすごい!

本物の業平もそうだったんでしょうね笑

 

 

・女性が御簾で顔を隠している様子

貴族の女性は男性の前には姿を現さないんですよね。

だから当時のお付き合いをする前の男女と言えば、

御簾の奥と手前でお互いが歌を詠み合って、

声や歌のセンスと、お香の香りから相手を判断する。

 

そういう意味では、

当時は都ではおしゃれに気を遣うよりも

しっかりと和歌のお勉強をした方が

素敵な相手に出会えたのかもしれませんね…笑

 

 

藤原氏を中心とした権力争い

摂関政治と言えば藤原道長・頼道が有名ですが、

この漫画の舞台は、

藤原氏が地位を確立する一歩手前のお話です。

 

だからこそ

ドロドロした権力争いが本当にひどい!

(もちろん、ほめてます笑)

 

他の貴族を蹴落とすために、毒を盛ったり、

藤原氏同士であってもお互いの暗殺未遂があったりと、

作中の菅原道真がこの権力争いを見て、

うんざりしてしまうのもよくわかります。

 

 

この他にも、菅原家が今でいうところの学習塾であった話、

勉強道具の中でも特に硯が注目されていた話や、

当時は原因不明の奇病であった狂犬病の話、

唐が滅んだ原因ともされる宦官の話、

河辺に捨てて放置された?当時の死体の扱い方の話、など

興味深い箇所が多すぎて書ききれない!

 

とにかく平安時代摂関政治初期の時代設定が

ほぼ忠実に再現されており、

史実に基づいて作られた面白い話が

盛りだくさんの漫画です!

 

 

・・・と、これだけ書いてしまうと

お勉強のための堅苦しい漫画だと

思われてしまうかもしれませんが、

決してそんなことはありません。

 

 

妖怪や祟りと恐れられた事件を

道真が現場に残された痕跡から原因を究明し、

謎を解明してしまう部分は

今のミステリーのお話とほとんど変わりませんし、

普通に面白いです!

 

 

また、人付き合いを嫌っていそうで

人に頼られることが実はまんざらでもない

ツンデレな道真を中心に、

登場するキャラクターもとても魅力的です。

 

菅原道真を主人公に平安時代を描いた漫画「応天の門」が超面白い件 | 大人になってから学びたい日本の歴史

 

こちらは別の方が書かれた、

漫画の紹介のブログ記事ですので、

興味を持たれた方はこちらの記事も読んでみてください!

 

さらにお時間のある方は、

この方が書かれている別の記事も読んでいただいて

この漫画の舞台となった平安時代

周辺知識なども深めてもらえればと思います!

 

 

www.dazaifutenmangu.or.jp

 

ネットで色々と検索をしていて知ったのですが、

菅原道真が祀られている、あの太宰府天満宮

つい最近までこの漫画の展示が行われていたそうなんです!

 

太宰府公認の菅原道真漫画ということです!

そのことからもこの漫画のすごさがわかりますね!

 

 

あと1年早くこの漫画の存在を知っておけば、

このイベントにも行けたのになぁ・・・、

と考えるとちょっと残念ですが、

またこのようなイベントが開催されることを

期待しています!

(…次は京都の北野天満宮かな?笑)

 

 

ということで、

こちらの漫画も教室に置いてありますので、

長時間の勉強で疲れた生徒さんは

ぜひ手に取ってみてください!